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「復習はテスト前にやればいい」は間違い!記憶定着に最適なタイミングとは?
「復習なんて、テスト前にまとめてやれば大丈夫」
そう思っていると、実は効率よく記憶できないまま試験日を迎えることになります。
脳科学や教育心理学の研究では、復習は“勉強した直後”から始める方が記憶定着に有効であることが明らかになっています。
この記事では、なぜテスト直前の詰め込みが非効率なのか、そして記憶が長持ちする復習のタイミングと方法について詳しく解説します。
1. なぜ「テスト前の復習」では記憶が定着しないのか
記憶は時間とともに急速に薄れる
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線によれば、人は学んだ内容の約42%を20分後には忘れ、1日後には約74%を忘れてしまいます。
つまり、学習後すぐに復習をしなければ、大部分の情報は失われるのです。
詰め込みは“短期記憶”に偏る
テスト直前に大量の情報を覚えても、それは一時的な短期記憶にとどまりやすく、数日後にはほとんど忘れてしまいます。
本当に力をつけるには、長期記憶として脳に定着させる必要があります。
2. 記憶定着に最適な「復習の黄金タイミング」
科学的研究では、以下のタイミングで復習することが最も効果的とされています。
【1回目】勉強直後(当日中)
学習したその日のうちに復習することで、脳が「これは大事な情報だ」と認識します。
例:授業後30分〜3時間以内に軽くノートを見返す。
【2回目】翌日
24時間以内にもう一度確認することで、記憶の抜け落ちを防ぎます。
例:前日に学んだ単語や問題を翌日の朝に復習する。
【3回目】1週間後
1週間後の復習は、記憶を長期的に保持するための重要なステップです。
例:1週間分の学習内容をまとめて確認する。
【4回目】1か月後
月単位での復習は、受験や定期テストでの「忘れにくい知識」へとつなげます。
3. 「間隔をあけた復習」が記憶を強くする理由
この方法は**間隔反復(Spaced Repetition)**と呼ばれ、脳が情報を忘れかけた頃に再び学習することで、記憶が強化されます。
- 忘れかけ → 思い出す → 記憶が強固になる
- 適切な間隔で繰り返すほど、記憶の保持期間が長くなる
これは英単語暗記や歴史年号の記憶など、暗記系の学習に特に効果があります。
4. 効率的な復習方法のポイント
① アウトプット中心で行う
ノートや教科書を“見返すだけ”では効果が半減します。
- 問題集を解く
- 口に出して説明する
- 白紙に思い出して書く
アウトプット型の復習は、脳に「情報を引き出す練習」をさせるため、定着力が高まります。
② 間違えた部分を重点的に復習
全範囲を毎回復習する必要はありません。
理解できている部分は間隔を長く、苦手な部分は間隔を短くして復習します。
③ 生活リズムに組み込む
- 学校から帰宅後の30分
- 就寝前10分
- 朝起きてすぐの10分
このように、復習の時間を生活習慣に組み込むと、無理なく継続できます。
5. テスト前の勉強は「総仕上げ」にする
テスト前は「復習のスタート」ではなく、「総仕上げ」の期間と考えましょう。
理想は、テスト1〜2週間前の段階で8割以上の内容が定着している状態にしておくことです。
そのためには、日常的な間隔復習の習慣が欠かせません。
まとめ
- 記憶は学習直後から急速に忘れ始める
- 復習の黄金タイミングは「当日・翌日・1週間後・1か月後」
- 間隔をあけた復習は記憶を長期化させる
- アウトプット中心で、苦手部分を重点的に行う
- テスト前は総仕上げ期間にするのが理想
「復習はテスト前だけでいい」という考えを手放し、日常的に小さく繰り返す学習に切り替えることで、知識は確実に身につきます。
勉強は面倒だと思いますが、だからといって一気に仕上げようとするのは科学的にあまり効果はありません。
スタディブレインで、復習のタイミングを意識したアウトプット中心の勉強法に切り替えていきましょう。それが結果的に近道になります。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室