ブログ
Blog
膨大な受験範囲、コツコツ型では間に合わない?高速周回学習のすすめ
はじめに
受験勉強といえば「毎日コツコツ」が王道とされています。
しかし、高校・大学受験のように範囲が膨大な場合、コツコツ型だけでは本番までに全範囲を何度も復習することができず、知識が定着しないまま試験日を迎えてしまう危険があります。
そこで注目したいのが**「高速周回型学習」**です。この記事では、その効果と具体的な進め方、さらに高校受験用・大学受験用のスケジュール例も紹介します。
コツコツ型の弱点
- 全範囲を回るのに時間がかかる
例えば受験範囲が英語・数学・国語・理科・社会と5教科ある場合、1ページずつ進めるコツコツ型だと、最後の範囲に着く頃には最初の範囲を忘れてしまう可能性があります。 - 弱点発見が遅れる
苦手単元が判明するのは終盤になってから。本番までに克服する時間が足りなくなります。
高速周回型が有利な理由
1. 全体像を早くつかめる
高速周回は、理解が浅くても全範囲を短期間で一度終えることを重視します。
これにより、試験に出やすい分野や自分の弱点が早い段階でわかります。
2. 復習サイクルを短くできる
高速周回では、例えば「2週間で全範囲→また2週間で全範囲」というサイクルが可能です。
短期間で繰り返すことで、忘れる前に再度触れる「間隔効果(spacing effect)」が働きます。
3. 弱点の早期発見と集中補強
何度も回す中で、毎回つまずく箇所が見えてきます。
それを中期以降で集中的に潰すことで、穴のない仕上がりにできます。
高速周回型の進め方
ステップ1:初期(全体把握)
- 全範囲を短期間(1〜2週間)で一度終える
- 完璧を目指さず、「ざっと理解」でOK
ステップ2:中期(弱点潰し)
- 高速周回を続けつつ、間隔を空けて復習
- 苦手単元に重点配分
ステップ3:終盤(総仕上げ)
- 本番直前まで高速周回を継続
- 頻出分野・苦手分野は想起練習(自力で答えを再現)を繰り返す
高校受験用(3か月)高速周回スケジュール例
前提
- 教科:5教科(英数国理社)
- 模試や過去問演習も並行
期間 | 目的 | 周回ペース | ポイント |
1〜3週目 | 全体把握 | 5教科を2週間で1周 | 理解が浅くても良い。全範囲をざっと終わらせる |
4〜7週目 | 弱点潰し+高速周回 | 5教科を3週間で2周 | 苦手単元に追加時間を配分 |
8〜10週目 | 総仕上げ | 5教科を2週間で1周 | 過去問と並行し、間違えた分野をその日に復習 |
最終週 | 本番直前の確認 | 5教科を1週間で1周 | 暗記科目は前日まで何度も回す |
大学受験用(1年)高速周回スケジュール例
前提
- 教科数が多く、範囲も高校3年分+演習
- 模試ごとに戦略修正
期間 | 目的 | 周回ペース | ポイント |
4〜6月 | 全体把握 | 主要科目は3〜4週間で1周 | 理解重視で基礎固め。完璧は求めない |
7〜9月 | 定着期 | 主要科目は2〜3週間で1周 | 弱点単元は1週間サイクルで復習 |
10〜11月 | 実戦期 | 主要科目は2週間で1周 | 過去問演習と並行し、本番形式でアウトプット |
12〜1月 | 総仕上げ | 全科目を1〜2週間で1周 | 暗記科目は3日以内サイクルで回す |
試験直前 | 最終確認 | 苦手・頻出のみ毎日回す | 新しいことはせず、定着重視 |
注意点
- 間隔を空ける工夫
同じ範囲を1日おき、3日おきなどで回すと定着率が上がります。 - わからない問題は印を付けて、次の周で必ず立ち止まる
- ただ読むだけではNG
答えを見ずに自分で解く「想起練習」を組み込むことが大切です。
まとめ
範囲が膨大な受験勉強では、「毎日コツコツ型」だけでは全範囲を繰り返し学習するのが難しく、知識の抜けが生じがちです。
一方、高速周回型は短期間で何度も全体を回すことで、弱点の早期発見と知識定着を両立できます。
受験本番に向けては、高速周回型をベースに、間隔を空けた復習と苦手潰しを組み合わせることが合格への近道です。
スタディブレインでは、受験生用コースもご用意しています。問題集の高速周回ができるようにカリキュラムを組んでおります。「受験に向けて何を勉強したらいいのか」と迷うことなく勉強に集中して取り組めるような内容になっていますので、ぜひご確認ください。
プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室