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勉強の仕方

勉強してるのに頭に入らない理由|「認知負荷理論」で効率を劇的に改善する方法

「一生懸命勉強しているのに、なぜか覚えられない」
「やればやるほど疲れて、集中できなくなる…」
そんな経験はありませんか?

実はそれ、“努力不足”ではなく、脳の処理容量オーバーが原因かもしれません。

この記事では、学習の効率化において今注目されている**「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」**をもとに、勉強効率を高める実践法をわかりやすく解説します。


認知負荷理論とは?

認知負荷理論は、教育心理学者**ジョン・スウェラー(John Sweller)**が提唱した理論です。
端的に言えば:

**「脳が一度に処理できる情報量には限界がある」**という考え方です。

人の作業記憶(ワーキングメモリ)は、同時に処理できる項目が4〜7個程度
これを超える情報を詰め込んでも、脳はオーバーフローして学習効率がガクッと下がるのです。


認知負荷の3つの種類

認知負荷理論では、脳の負担を3つに分類しています:

種類説明
① 固有負荷(Intrinsic Load)学ぶ内容自体の難しさ数学の証明、英文法など
② 外在負荷(Extraneous Load)教え方・資料による余計な負担わかりにくい説明、散らかったノート
③ 有効負荷(Germane Load)理解を深めるために使う負荷問題演習、まとめ作成など

特に②の外在負荷を減らし、③の有効負荷を増やすことが、学習効率アップの鍵になります。


なぜ「頑張っても覚えられない」のか?

多くの人がつまずくのは、「無駄な情報」や「同時処理のしすぎ」による外在負荷の増大です。

たとえば:

  • ノートが情報過多でゴチャゴチャ → 頭が混乱
  • 新しい用語をいくつも同時に学ぶ → ワーキングメモリが限界
  • 解説動画と問題集を同時進行 → 処理が追いつかない

つまり、**「がんばる方向を間違えると、むしろ逆効果」**なのです。


認知負荷を減らして効率を上げる勉強法

✅ ポイント①:一度に学ぶ情報は絞る

例:英単語を50語まとめて覚える → ✕
   小分けにして10語ずつ×複数回 → ◎

ワーキングメモリの限界を超えないように、「少しずつ・何度も」が正解。


✅ ポイント②:ノートや資料をシンプルに整理する

  • 不要な色使いや情報をカット
  • 図解・マインドマップで構造化
  • 1ページに1テーマだけ載せる

ごちゃごちゃしたノートは、それだけで脳のリソースを奪います。


✅ ポイント③:説明と例題をセットにする

解説だけ読んでも頭に入りません。抽象→具体の流れを徹底することで、理解しやすくなります。

例)「関数とは何か」→定義だけでなくグラフ・数値例もセットで


✅ ポイント④:1人で黙々とやらない

誰かに教える・口に出して説明することで、**有効負荷(理解を深めるための負荷)**が高まり、記憶に残りやすくなります。


認知負荷を意識した「勉強計画の立て方」

悪い例改善例
・1日で5科目を一気に勉強する
・解説を読んでから即テスト
・1科目ごとに集中して、30分〜45分で区切る
・学んだ後に小テストで定着を図る

「一気にやる」より「分けてやる」方が脳に優しいというのが、認知負荷理論の実践ポイントです。


親や先生ができるサポートは?

保護者や教育者が意識すべきは、子どもに**「教えすぎない」こと**。

  • 情報を一度に与えすぎない
  • 何でもすぐ答えを言わない
  • 子ども自身に考えさせる機会を作る

学習者自身が情報を整理し、「あ、こういうことか」と自力でつながったときに、最も記憶に残るのです。


まとめ|脳に優しい学びが、結果的に成績を上げる

認知負荷理論に基づいた学び方を実践すれば、次のような成果が期待できます:

✅ 勉強の集中力が長く続く
✅ 勉強時間が短くても理解が深まる
✅ 苦手な科目の「なぜわからないか」がわかる


「努力しているのに成果が出ない」は、努力の質の問題かもしれません。
大切なのは、脳のキャパに合ったやり方で学ぶことです。

人それぞれに、自分に合った努力の仕方があります。それを見つけられれば、勉強の習慣化にも役立ちます。どんどん工夫をして、いろいろなことを試していって、自分の努力の仕方を見つけていきましょう。

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プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階