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「やる気が出ない…」を科学的に解決! 勉強嫌いでも続く小さな習慣の作り方

「勉強しなきゃいけないのは分かっているけれど、どうしてもやる気が出ない」「うちの子はいつも三日坊主で、どう声をかけたらいいか分からない」
もしあなたが、このような悩みを抱えているなら、ご安心ください。それは、あなたの「やる気のなさ」や「根性のなさ」が原因ではありません。実は、多くの人が「やる気」というものを誤解しているのです。
このブログでは、心理学や行動科学に基づき、「やる気」に頼らず、勉強が自然と始まり、無理なく続くようになるための、たった3つの科学的な習慣化のステップをご紹介します。勉強嫌いの小中高生でも、努力が結果に結びつかずに悩む生徒・保護者の方でも、今日から実践できる簡単な方法です。
1. なぜ「やる気」はすぐに消えてしまうのか?

「よし、今日から頑張るぞ!」と意気込んでも、三日坊主で終わってしまう…。勉強嫌いの生徒さんや、その姿を見ている保護者の方々にとって、これは共通の悩みではないでしょうか。
実は、「やる気」というのは、私たちの行動の結果として生まれるものであり、行動の原因ではない、と行動科学では考えられています。
- 誤解: やる気があるから行動できる
- 真実: 行動するから、やる気が生まれる(これを作業興奮と呼びます)
では、どうすれば「やる気がない状態」から、最初の「行動」を起こせるようになるのでしょうか。
2. 行動科学が教える! 最初のハードルを下げる**「スモールステップの法則」**

勉強が続かない最大の原因は、最初の一歩が大きすぎることです。
たとえば、「数学の問題集を30ページ進める」と決めた瞬間、脳は「面倒くさい!」「大変だ!」と感じ、防衛反応として「やる気」をシャットダウンしてしまいます。
そこで有効なのが、行動科学における「スモールステップ」の考え方です。
スモールステップ実践術:「赤ちゃんの一歩」から始める
スモールステップとは、**「これなら絶対にできる」**と思えるくらい、タスクを最小単位まで分解することです。
| 目標設定のNG例 | スモールステップのOK例 |
| NG:「毎日2時間勉強する」 | OK:「テキストを開いて、最初の1行を読む」 |
| NG:「英単語を50個覚える」 | OK:「英単語帳を机の上に置く」 |
| NG:「塾の宿題を終わらせる」 | OK:「タイマーを5分だけセットして、問題1問目に取り掛かる」 |
ポイント: ここでの目的は、勉強を**「始める」ことです。内容がどうであれ、たった1行でも、5分だけでも、行動できたら100点満点です。行動が始まれば、脳の作業興奮**が働き、そのまま10分、20分と続けられる可能性が格段に上がります。
3. 習慣化のトリガーを仕掛ける「if-thenプランニング」

最初の一歩が分かっても、「いつやるか」を決めずにいると、その行動はすぐに忘れられてしまいます。そこで認知科学で効果が実証されているのが「if-thenプランニング」です。
これは、「もし(if)、○○をしたら、その次に(then)、必ず△△をする」という形で、**行動の「きっかけ(トリガー)」**を設計する方法です。
実践例:勉強習慣のトリガー設定
- if(きっかけ): もし学校から帰ってきてリュックを置いたら、
- then(行動): すぐに机に向かいテキストを1行読む。
- if(きっかけ): もし夜ご飯を食べ終わって歯磨きをしたら、
- then(行動): すぐに単語カードを3枚だけ見る。
人間の脳は、**「次に何をすべきか」**が明確になると、迷いが消えて行動しやすくなります。既存の習慣(帰宅、歯磨きなど)に新しい行動を結びつけることで、勉強が生活の一部としてスムーズに組み込まれていきます。
4. 小さな成功で自己肯定感を高める**「自己効力感」のサイクル**

勉強嫌いな生徒は、「自分はやってもできない」という**ネガティブな自己イメージ(低い自己効力感)**を持っていることが多いです。
このイメージを変えるには、大きな結果ではなく、**「小さな成功体験」**を積み重ねることが最も有効です。
「テキストを1行読めた」「5分間集中できた」という、上記の「スモールステップ」による小さな成功を**「できたこと」**として意識的に評価しましょう。
保護者の方へ:
子どもが「テキストを開いた」「5分で切り上げたが机に向かった」など、行動そのものを具体的に褒めてあげてください。結果(テストの点数)ではなく、努力のプロセスに注目することで、子どもの自己効力感が高まり、「自分はやればできるかもしれない」という前向きな気持ちが育まれます。
NGな声かけ: 「なんでたった10分でやめるの?もっと頑張りなさい!」
OKな声かけ: 「1行でもテキストを開いて、机に向かったのはすごいね!さすがだね。」
5. まとめ:勉強嫌いを卒業する科学的な3ステップ

勉強嫌いを克服し、無理なく継続できる習慣を作るには、科学的なアプローチが効果的です。
- 最初のハードルを徹底的に下げる: 「これなら絶対できる」というレベルまで、勉強をスモールステップに分解する。
- 行動のトリガーを決める: 「if-thenプランニング」で、「いつ、何をやるか」を明確にし、迷う余地をなくす。
- 小さな成功を心から褒める: スモールステップでの「できた」を認識し、自己効力感を高める。
これらのステップは、心理学や行動科学に基づいたもので、「やる気」に頼らず、誰でも勉強を習慣化できる強力な方法です。今日からぜひ、最も小さな一歩から試してみてください。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室