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試験直前に焦るあなたへ 心理学者が教える不安を味方につけるメンタルコントロール術

試験直前になると、「どうしよう、何も覚えていない」「また失敗するかもしれない」といった強い不安や焦りに襲われる生徒は非常に多いです。この不安が原因で、集中力が低下したり、本来の実力が発揮できなくなったりする、いわゆるパニック状態に陥ることもあります。
多くの人は不安を「消すべきもの」と考えますが、心理学では不安を**「エネルギー」**として捉え、上手にコントロールする方法が研究されています。
このブログでは、心理学の知見に基づき、試験直前の不安や緊張を否定せず、それを集中力と本番の力に変えるための具体的なメンタルコントロール術を解説します。
1. 不安の正体を知る「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」

試験前の適度な緊張感は、実はパフォーマンスを向上させます。この関係性を示したのが、心理学のヤーキーズ・ドッドソンの法則です。
この法則によると、人は適度な不安や覚醒状態にあるときに、最も集中力が高まり、最高のパフォーマンスを発揮できます。
- 不安が低すぎると: リラックスしすぎて集中力が低下し、ミスが多くなる。
- 不安が高すぎると: パニックになり、思考が停止し、実力が出せない。
- 適度な不安: 集中力が高まり、本番で力が発揮できる。
重要なのは、不安をゼロにするのではなく、最高のパフォーマンスを発揮できる「適度なレベル」に調整することです。
2. 思考を変える心理テクニック「リフレーミング」

不安が高まりすぎたとき、脳内では「失敗したらどうしよう」といったネガティブな考えがループしています。このネガティブな感情をポジティブなエネルギーに変えるのが、リフレーミング(Re-framing)という心理テクニックです。
これは、物事の**「枠組み(フレーム)」**を変えて、ネガティブな側面をポジティブな側面として捉え直す方法です。
不安を「集中力」に変えるリフレーミング実践術
| ネガティブな認識(NG) | ポジティブな認識(OK) |
| 「手が震えてきた。緊張しすぎだ…」 | 「これは集中力が高まっているサインだ!」(覚醒状態を肯定) |
| 「時間が足りない。焦っている…」 | 「この焦りが、今すぐに勉強を始めるエネルギーになる!」(行動を促す力に変える) |
| 「何も覚えていない気がする…」 | 「不安な部分を今見つけるチャンスだ。本番前に確認できる!」(不安をチェック機能と捉える) |
ポイント: 不安な感情を否定するのではなく、「これは自分の力を引き出すための準備だ」と言い換えることで、不安は**「危険なシグナル」から「前向きなエネルギー」**へと変化します。
3. 不安を具体的に処理する「感情のラベリング」と「アウトプット」

漠然とした不安は、私たちの思考を占領し、行動を妨げます。不安をコントロールするための次のステップは、その不安を具体的に特定し、外に出すことです。
感情のラベリング:不安を「見える化」する
「感情のラベリング」とは、自分が感じている感情に名前をつけることです。脳科学の研究では、不安や恐怖といった感情に言葉を与えることで、感情を処理する脳の部位(扁桃体)の活動が弱まることが示されています。
- 実践: 「私は今、漠然とした不安を感じている」ではなく、「私は今、英単語の長文読解に対する不安を感じている」と具体的に言葉にする。
アウトプット:紙に書き出すことで脳から切り離す
不安を具体的に特定したら、それを紙やノートに全て書き出しましょう。この行為は、不安を頭の中から取り出し、外の世界に置いておく心理的な効果があります。
【不安解消のための書き出し例】
- 「今、不安に感じていること」(例:公式を忘れるかもしれない、時間が足りない)
- 「その不安に対して、今できる具体的な行動」(例:公式集を5分だけ見直す、タイマーで時間配分をシミュレーションする)
ポイント: 不安を書き出すことで、脳は「不安は処理された」と認識し、リソースを目の前の学習に集中させることができるようになります。
4. まとめ:不安を力に変えるメンタルコントロール術

試験直前の不安は、あなたの成長の証であり、力を引き出すエネルギーでもあります。以下の3つのステップで不安を味方につけましょう。
- 不安を肯定する: 適度な不安はパフォーマンスを上げる**「適正な緊張状態」**だと認識する(ヤーキーズ・ドッドソンの法則)。
- 思考の枠組みを変える: 焦りや緊張を**「集中力が高まっているサイン」**だと捉え直す(リフレーミング)。
- 不安を具体的に処理する: 漠然とした不安に名前をつけ、紙に全て書き出すことで、脳の負担を軽減する。
これらの方法で心の波をコントロールし、試験本番で最高のパフォーマンスを発揮してください。
スタディブレインは、失敗を「成長の糧」と捉えています。失敗したということは、何かにチャレンジしたということ。そう捉えて、次に同じ失敗をしないように質問を通して考える習慣をつけてもらっています。
そのため、失敗してもそれを受け入れる環境が整っています。失敗が怖くて不安な方は、ぜひスタディブレインにお越しください。次に成功するための方法を一緒に考えましょう!
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室