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「褒めすぎ」は逆効果? 小学生の自信と粘り強さを育てる科学的な声かけ

「うちの子は自信がない」「失敗するとすぐに諦めてしまう」「もっと褒めてあげたいけれど、どう褒めたらいいのかわからない」

子どもの自己肯定感粘り強さ(レジリエンス)を育てるために、「褒める」ことは最も重要だとされています。しかし、心理学の研究によると、「褒め方」を間違えると、かえって子どもが**「失敗を恐れる子」**になってしまう可能性があることが分かっています。

このブログでは、スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエック博士が提唱する**「成長マインドセット」の考え方に基づき、小学生の真の自信と困難に立ち向かう力を育てるための、科学的な「声かけのコツ」**を解説します。


1. 知っておきたい!褒め方が生む二つのマインドセット

子どもが自分の能力についてどのように捉えているかをマインドセットと呼びます。親の褒め方や声かけは、子どものマインドセットを「固定」するか「成長」させるかを大きく左右します。

固定マインドセット(NGな褒め方が生むもの)

**「能力は生まれつき決まっている」**と考えるマインドセットです。

  • **「頭がいいね」「天才だね」**といった、結果や能力を褒めすぎると育ちます。
  • 危険性: 褒められた結果(満点や成功)が得られなかったとき、子どもは**「自分は頭が悪い」**と能力全体を否定します。
  • 行動: 失敗を恐れ、難しい問題に挑戦しなくなり、努力を避けようとします。

成長マインドセット(OKな褒め方が育むもの)

**「能力は努力と工夫でいくらでも伸びる」**と考えるマインドセットです。

  • **「頑張ったね」「粘り強いね」**といった、プロセスや努力を褒めると育ちます。
  • 利点: 失敗を**「能力の限界」ではなく「成長のための情報」**と捉えられます。
  • 行動: 困難を恐れず挑戦し、努力そのものに価値を見出すため、粘り強く取り組めます。

2. 成長マインドセットを育む「プロセス承認」の極意

子どもに「努力すること」の価値を教え、成長マインドセットを育むには、結果ではなく過程(プロセス)に焦点を当てて褒めることが重要です。これをプロセス承認と呼びます。

褒め方を変える具体的な「声かけ」例

NGな声かけ(結果・能力を褒める)の例:

  • 「満点だ!すごいね、やっぱり頭がいいね。」
  • 「すぐにできて偉いね!」
  • 「字が上手だね。」

OKな声かけ(プロセス・努力を承認する)の例:

  • 「難しい問題も諦めずに取り組んだ粘り強さが満点につながったんだね。」
  • 「この問題を解くために、昨日も復習していた努力が実ったね。やり方がよかったんだよ。」
  • 「丁寧にとめ・はねに気を付けて書いたね。頑張って書こうとする姿勢が素晴らしい。」
  • 「この問題、どういうふうに考えたの?工夫したところを教えて。」

ポイント: 「どうしてできたか?」を質問することで、子ども自身が**自分の成功要因(努力や工夫)**を意識するようになり、それが自信につながります。


3. 失敗や苦手な時にこそ力を発揮する声かけ

「失敗したとき」や「苦手な勉強から逃げたいとき」こそ、親の適切な声かけが子どもの成長を促します。

失敗を「力」に変える声かけ

  • 「残念だったね」と気持ちに寄り添う:
    • まずは「悔しかったね」と感情を認めます。感情が満たされて初めて、子どもは前向きな思考に移れます。
  • 「まだ、できていないだけ」を伝える:
    • 「どうせ私には無理」と感じている子には、「今はできていないだけだよ。次はできるようになるよ」と、時間とともに成長できる可能性を伝えます。
  • 「次はどうする?」と行動を促す:
    • 失敗を否定せず、「この失敗から、次はどんなことを学べたかな?」と質問し、次の行動へと意識を向けさせます。

苦手な科目への「挑戦」を承認する

  • 結果に関わらず挑戦を褒める:
    • 苦手な算数の問題で間違えても、「苦手なのに、よくこの問題に挑戦したね。その勇気がすごいよ」と、挑戦した行動自体を承認します。
  • 「やり方」の改善を促す:
    • 「このやり方では難しかったみたいだね。次は違うやり方で試してみようか」と、努力の方向性を変えることの重要性を教えます。

4. まとめ:真の自信と粘り強さを育む3原則

小学生の時期に培われる「自信」は、単なる結果ではなく、**「自分の力で乗り越えられる」**という自己肯定感に基づいています。

  1. 「能力」ではなく「プロセス」を承認する: 結果(満点)ではなく、努力、粘り強さ、工夫といった過程を具体的に褒める。
  2. 失敗を「情報」として捉え直す: 失敗したときこそ「次はどうする?」と質問し、改善行動へと意識を向ける。
  3. 「まだ」という言葉を使う: できない状況は「能力の限界」ではなく「一時的な状態」であることを伝え、成長への期待を持ち続ける。

これらの声かけを通じて、お子さんは失敗を恐れず、自ら進んで困難に立ち向かう力を身につけていくでしょう。

人は誰でも失敗するものです。まだ経験の浅い子供なら尚更です。大事なのは、その失敗から何を学び、どう次に活かすかです。

スタディブレインでは、次に活かせるコーチングを行っています。それにより、次に何をすればいいのかを子どもが自分で考えられるようになります。

自律した人に成長してほしいと思っている方は、ぜひスタディブレインにお越しください!

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プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階