ブログ

Blog

勉強の仕方

「勉強しなさい!」はもういらない。子どものやる気を引き出し、合格へ導く「親のコーチング術」

「何度言ったら勉強するの?」「模試の結果、これじゃ志望校は無理じゃない?」 入試が近づくにつれ、親の焦りはピークに達します。和歌山という、地域の結びつきが強く、周囲の進路も耳に入りやすい環境では、なおさら「うちの子は大丈夫かしら」と不安になるのが親心というものです。

しかし、親の焦りから出る言葉は、往々にして子どものやる気を削ぐ「毒」になってしまいます。今回は、子どもを自走させ、本番で100%の力を出させるための、科学的なコミュニケーション術を徹底解説します。


1. なぜ「勉強しなさい」は逆効果なのか?

脳科学の視点から見ると、「勉強しなさい」という言葉は、子どもの脳に「心理的リアクタンス(抵抗)」を引き起こします。

  • 自由を奪われるストレス: 人間は他人から行動を強制されると、たとえそれが自分にとって正しいことだと分かっていても、反射的に反発するようにできています。「今やろうと思っていたのに、言われたからやる気がなくなった」という子どもの言葉は、わがままではなく、脳の正しい反応なのです。
  • 思考を停止させる「監視」: 親が監視役になると、子どもの脳は「どうすれば親に怒られないか」という回避の思考にエネルギーを割くようになります。本来、受験勉強に使うべきエネルギーが「親との心理戦」に浪費されてしまうのです。

2. 指示を「質問」に変える「コーチング」の魔法

自走できる子を育てる親は、指示(命令)ではなく**「質問(コーチング)」**を使います。質問されることで、子どもの脳は「自分で考えるモード」に切り替わります。

① 「勉強したの?」を「何が進んだ?」に変える

「した・しない」の二択は、子どもを追い詰めます。代わりに「今日はどんな単元が進んだ?」「今の進み具合は10点満点で言うと何点くらい?」と、プロセスの進捗を聞いてみてください。子どもは自分の計画を振り返り、「明日はここを重点的にやろう」と自ら計画を修正し始めます。

② 「何点だった?」を「どの問題が面白かった?」に変える

結果だけを評価すると、子どもは「点数が悪い自分には価値がない」と思い込みます。代わりに、内容に興味を持ってあげてください。「この数学の証明、どうやって解いたの?」「この社会の記述、よく書けているね」と、解いたプロセスを面白がる姿勢が、子どもの知的好奇心を刺激します。


3. 「見守る」という、親にしかできない最強の戦略

受験直前期、親がすべき最大の仕事は、実は「何もしないこと(見守ること)」です。

  • 家を「安全地帯」にする: 外(学校や塾)で戦っている子どもにとって、家は唯一、鎧を脱いで休める場所でなければなりません。家の中でも「倍率」や「偏差値」の話ばかりでは、子どもの脳は休まる暇がなく、本番前に燃え尽きてしまいます。
  • 「信じている」を態度で示す: 言葉で「信じている」と言う必要はありません。どっしりと構えて、いつも通り美味しいご飯を作り、いつも通り明るく接する。その「変わらない日常」が、子どもにとっては「もし失敗しても、帰る場所がある」という最強の安心感(心理的安全保障)になります。この安心感がある子ほど、本番で思い切った挑戦ができ、結果として合格を引き寄せるのです。

4. 和歌山の受験事情に合わせた「距離感」の保ち方

和歌山県立入試は、中1からの内申点が合算される長期戦です。だからこそ、一時的なテストの結果に一喜一憂しすぎないことが大切です。

  • 「15歳の決断」を尊重する: 第2回、第3回で触れたように、倍率や併願私立の結果を見て志願先を悩む場面があります。その際、親の希望を押し付けるのではなく、「あなたが後悔しない道はどっち?」と問いかけ、最後は本人に決めさせてください。自分で決めたという自覚(自己決定感)が、中学・高校、そしてその先の人生を切り拓く本当の学力に繋がります。

5. 【親自身のメンタルケア】親が笑えば、子どもも笑う

最後に、保護者の皆様にお伝えしたいことがあります。受験は「親の試練」でもあります。

  • 親の不安を子どもで解消しない: 親の不安は、子どもをコントロールすることで解消しようとしがちです。まずは親自身が、趣味や仕事、友人との会話を楽しみ、自分自身の心を整えてください。
  • 「3年後の姿」をイメージする: 今この瞬間の合否だけに目を向けず、3年後、5年後に我が子がどんな風に成長していてほしいかを想像してみてください。受験は長い人生の一つの通過点に過ぎません。その通過点での親の温かい関わりが、一生消えない信頼関係の土台になります。

結論:合格のその先へ続く、親子の絆

受験という大きな壁を乗り越える中で、本当に得られる宝物は「合格通知」だけではありません。それは、親子で悩み、励まし合い、共に歩んだ時間の記憶です。

  1. 指示ではなく質問で、子どもの思考を動かす。
  2. 結果ではなく、努力のプロセスを具体的に認める。
  3. 家を最大の安心感(リラックス空間)にする。

和歌山の春、梅の花が咲く頃に、親子で笑顔で未来を語り合えるよう、今はこの「信じて見守る」という難しくも尊い役割を、全うしていただきたいと思います。心から、皆様の健闘をお祈りしています!

関連記事はこちらです:

プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階