ブログ

Blog

勉強の仕方

「今どきの子は勉強しない?」…それ、本当ですか?

「自分の頃はもっと真面目にやっていた」「最近の子は集中力がない」「勉強の大切さをわかっていない」
そんな声を、保護者の方から耳にすることがあります。

けれど、それは本当に「子どもたちの努力が足りない」せいなのでしょうか?
もしかすると、私たち大人が当たり前だと思っている”勉強”と、今の子どもたちが向き合っている”勉強”は、まったく別のものになっているのかもしれません。


■ 親世代と子ども世代、「勉強」の意味が変わった

保護者の皆さんが中高生だった頃、多くの人はこう教えられてきたはずです。

「いい大学に入れば、将来安定した人生が手に入る」
「点数がすべて。偏差値が高いことが偉い」
「勉強はやるべきこと。文句を言わずに取り組むべき」

この価値観は、ある意味でとてもシンプルで分かりやすいものでした。
疑問を持たず、目の前の課題を淡々とこなす力が評価されていた時代です。

しかし、現代の子どもたちは、まったく異なる世界に生きています。


■ 情報過多の時代、勉強法は大きく進化している

今の中高生は、分からないことがあればYouTubeやGoogleで即座に検索し、AIに質問し、自分のペースで動画授業を受けることができます。

昔のように「分からなければ、翌日の授業で聞くか、参考書を何度も読むしかない」といった待ちの姿勢ではなく、**「自ら学び方を選ぶ主体性」**が求められています。

また、スマホやSNSを通して、全国どころか世界中の「すごい人」を目にして育っています。
それによって、逆に「自分なんか」と感じてしまい、自己肯定感を保つのが難しい時代でもあるのです。


■ 今の子どもに求められる力とは

では、現代の中高生にはどんな力が求められているのでしょうか?

それは、まさに今後の社会で生き抜くための**“非認知能力”“思考力・判断力・表現力”**です。

たとえば…

  • 調べた情報の正確さを見極める「情報リテラシー」
  • 他人と協力して課題を解決する「協働性」
  • 自分なりの問いを立て、仮説を検証する「探究力」
  • 自分で考えて、必要な行動を選ぶ「主体性」

これらは、単に「良い成績を取る」だけでは身につきません。
だからこそ、今の入試制度も変わってきています。

近年、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試が増加しており、「どんな課題に取り組んだか」「どのように学びを深めたか」といったプロセス重視型の評価が主流になりつつあります。


■ 「やる気がない」のではなく、「納得していない」

「うちの子、やる気がなくて…」という悩みもよく聞きますが、
実は多くの子はやる気がないのではなく、「なぜやるのか」が腑に落ちていないだけ。

親世代のように、「とにかく頑張れ」と言われて頑張れる子ばかりではありません。
今の子どもたちは、「それをやる意味があるのか?」「自分に必要なのか?」をとてもよく考えています。

つまり、納得感を持って行動する感覚が強いのです。

それは決して「楽をしたい」「甘えている」わけではなく、
これからの時代を生きる子どもたちにとって、非常に重要な感覚だとも言えます。


■ 親の関わり方もアップデートが必要

このように考えると、親として「勉強しなさい!」と繰り返すだけでは、なかなか響かないのは当然かもしれません。

今、求められているのは…

  • 勉強の意義を一緒に考える対話
  • 子ども自身に選ばせる関わり
  • 行動だけでなくプロセスを認める承認

たとえば、「そんなことして何の意味があるの?」という問いかけに、
「将来困るから」「いい大学に行かないと大変だから」と返すのではなく、
「今の自分の可能性を広げるための選択肢だよ」「やってみて初めて分かることもあるよ」
というような、納得につながる言葉を選ぶことが大切です。


■ まとめ:時代が違えば、勉強の意味も変わる

今の子どもたちは、かつてない情報量と比較社会の中で、
自分なりの道を見つけ、納得しながら前に進もうとしています。

昔のような「やり方」では通じにくいこともありますが、
その分だけ、子どもたちはより深く、自分の学びに責任を持つようになるチャンスを持っています。

私たち大人ができるのは、過去の価値観を一度リセットし、「今の子たちが直面している現実」に目を向けること。

そして、「どうすればこの子の力が最大限に伸びるか」を一緒に考えていくことです。

勉強の形は変わっても、「学ぶ力」は未来を切り開く力です。
その力を、どう支えていくか。
それが、これからの保護者の大切な役割かもしれません。

スタディブレインでは、従来までの「勉強」の意味を再定義しています。今までのやり方に固執することなく、常に新しい教育の可能性を模索していきます。

定期的に勉強会も開催しており、情報発信もしています。気になる方はぜひ一度お問い合わせください。

関連記事はこちらです:

プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階