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勉強の仕方

数学が苦手な人ほど“パターン暗記”を使うべき理由と効果的な覚え方

「数学が全然わからない」
「問題を見ても、何から手をつけていいかわからない」

そんな悩みを持つ生徒にこそおすすめなのが、「パターン暗記」という学習法です。
この記事では、なぜパターン暗記が数学苦手層に有効なのか、そして実践する際の具体的な手順を解説します。

数学が苦手になる原因とは?

多くの生徒が数学を苦手と感じる理由の1つは、「問題の解き方がわからない=何をすればいいか見えない」状態になることです。

この状態は、心理学で「認知的負荷が高すぎる」と表現されます。
つまり、頭の中で情報処理する量が多すぎて、一歩目が踏み出せなくなっているのです。

解決策として有効なのが、「よく出る問題パターン」をあらかじめ覚えてしまうという方法です。

なぜ“パターン暗記”が効果的なのか?

脳科学の観点から見ると、人の脳は「既知の情報」と「新しい情報」とを結びつけながら学習します。
このとき、**すでに知っている「解き方のパターン」**があると、未知の問題にも対処しやすくなるのです。

また、米国カーネギーメロン大学の研究では、「パターンを覚えた学習者は、覚えていない学習者よりも新しい問題への対応力が1.8倍高まった」と報告されています。

パターン暗記は“答えの丸暗記”とは違い、「状況→方針→処理」の流れをストックする戦略的な暗記法です。

パターン暗記の正しいやり方【ステップ形式】

数学のパターン暗記は、ただ解き方を見て覚えるだけでは意味がありません。
以下のような手順を踏むことで、実際のテストで使えるレベルに落とし込むことが可能です。

ステップ1:よく出る問題を選ぶ

  • 学校の定期テストや模試でよく出る問題を分析する
  • 教科書の章末問題や問題集の「例題」が基本

重要なのは「何度も出る定番問題」に絞ることです。

ステップ2:問題文と解法の流れをセットで覚える

  • 問題文を読んだときに、どのパターンかを判断できるようにする
  • 解法の手順(どんな式を立てるか、どの公式を使うか)を言葉で説明できるようにする

「なぜその解法を使うのか?」まで理解することで、応用問題への対応力が身につきます。

ステップ3:白紙で再現・説明してみる

  • 自分で問題を見ずに解法だけを書き出してみる
  • 友達や家族に説明してみる(=アウトプット)

このプロセスによって、解法が「知っている」から「使える」に変わります。

パターン暗記はどんな問題に使える?

  • 一次関数・二次関数のグラフと式の関係
  • 図形の角度・面積・相似の典型問題
  • 方程式の文章題(食塩水・速さ・代金など)
  • 確率・場合の数の頻出型

これらは「同じ形式で出題されやすい」ため、パターン暗記の恩恵を受けやすい分野です。

パターン暗記で失敗しないための注意点

  • 解説を読んだだけで「できる気になる」状態に注意(実際に手を動かす)
  • 類題で練習して「どの場面で使うか」が判断できるようにする
  • 単に丸暗記するのではなく、必ず「意味づけ」して覚える

例えば、「速さ×時間=道のり」なら、「道のりを出すには何が必要か」「単位は揃っているか」といった部分まで確認することが大切です。

まとめ:パターンを持てば数学は怖くない

数学は、完全に“ひらめきの教科”ではありません。
むしろ、一定のパターンを覚えたうえで、それを当てはめながら解いていく“技術科目”とも言えます。

苦手な人こそ、まずは典型問題を型として覚えることで、安心して問題に取り組めるようになります。

ポイントまとめ

  • 数学が苦手な人は「何をすればいいかわからない」状態になりやすい
  • パターン暗記は「認知的負荷」を下げて、一歩目を助ける
  • 解法の流れを理解して、言語化できるようにすることが大切
  • 覚えたパターンは、必ず手を動かして再現する
  • 数学は「型」をストックすれば、自然と自信がついてくる

多くの人は、まず理解してから解き方を覚えていくと考えていますが、実は順序は逆なのです。解き方を覚えていくことで、後で「だからこういう式になるのか」などの理解につながってきます。

詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください:

プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階