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ChatGPTに勉強の質問をするメリットとデメリットとは?
近年、AIチャットボットの活用が広がり、勉強でも「わからない問題をChatGPTに質問する」という行動が当たり前になりつつあります。しかし、この新しい学習スタイルには光と影の両面があります。この記事では、ChatGPTに質問することのメリットとデメリットを明確にし、効果的な使い方を紹介します。
ChatGPTに質問するメリット
1. 24時間いつでも使える
塾や学校の先生に質問できる時間は限られていますが、ChatGPTは24時間365日対応可能です。夜遅くの勉強中にふと疑問が浮かんでも、その場で質問して解決できます。これは特に自学自習の時間が多い受験生にとって大きな利点です。
2. 説明が丁寧で何度でも聞き直せる
人に何度も同じ質問をするのは気まずさを感じるものですが、ChatGPTは何度でも聞き直しても嫌な顔ひとつしません。自分の理解度に合わせて丁寧に説明を受けられるのは、学びのハードルを下げる要素となります。
3. 多角的な視点での説明が得られる
同じ内容でも、さまざまな切り口で説明してくれるのがChatGPTの強みです。たとえば数学の公式であれば、「公式の成り立ち」「使い方の例」「よくあるミス」など、質問の仕方を変えればいろんな角度からの学びが得られます。
4. 即時フィードバックによる学習効率の向上
学習科学の分野では「即時フィードバック」は記憶の定着を促す要素とされています。エラーをした直後に正しい情報を得ることで、記憶の誤形成を防げます(Roediger & Butler, 2011)。その点、AIによる即応は極めて効果的です。
ChatGPTに質問するデメリット
1. 回答の正確性にばらつきがある
AIは膨大な情報をもとに返答を作りますが、すべての情報が正確とは限りません。特に複雑な問題や最新の教科書改訂内容などは誤答のリスクもあります。実際、大学や研究機関でも「AIのハルシネーション(事実に反する出力)」は問題視されています。
対策:
必ず複数のソース(教科書・参考書・先生)と照らし合わせて確認することが大切です。特に入試問題や記述式の解答例については、人の目による最終確認を怠らないようにしましょう。
2. 生徒自身の思考力が育ちにくくなる恐れがある
すぐに答えを求めてしまうことで、じっくり考える習慣が失われる可能性があります。思考力・判断力・表現力を問われる現代の入試では、ただ正解を知るだけでは十分とは言えません。
対策:
質問をする前に「自分の考えを書き出す」「なぜわからないのかを言語化する」ことを習慣にしましょう。その上で、AIに質問すれば思考力も養われます。
3. 解法の暗記に偏りやすい
ChatGPTは解法を提示するのは得意ですが、生徒が「なぜその手順になるのか」を自分で考える前に答えを見てしまうと、単なる暗記にとどまり、応用力が育ちません。
対策:
ChatGPTに質問するときは、「なぜそうなるの?」「他のやり方は?」と問い直して、自分の理解を深める意識が必要です。
4. 本人のレベルに合っていない説明になることがある
AIの説明は一見丁寧でも、その内容が本人の理解レベルとズレていることがあります。難しい用語や論理を使われると、逆に混乱してしまうことも。
対策:
「中学生にもわかるように」「小学生に説明するように」など、条件を加えて質問することで、レベルに合った説明を引き出せます。
ChatGPTをうまく使うためのポイント
ChatGPTは「自分の頭で考える手助けをしてくれる存在」として活用するのがベストです。以下のようなスタンスで使えば、学力向上に大きく寄与します。
- わからないところを言語化しながら質問する
- 一度は自力で解こうと試みてから活用する
- 回答の根拠を問い直す
- 得られた回答をノートにまとめて復習に活かす
AIは万能ではありませんが、使い方次第で非常に強力な学習パートナーになります。
まとめ
ChatGPTに質問することは、現代の学習において非常に有効な手段のひとつです。特に「時間に縛られずに学べる」「丁寧な説明が得られる」という点は、学習の質を大きく高めてくれます。
しかし、「正答率の限界」「思考力の低下リスク」など、注意すべき点も存在します。AIを鵜呑みにせず、自分の頭で考える習慣を持つこと。これが、AI時代における本当の学力の育て方と言えるでしょう。
うまく勉強していくために、以下の記事もご覧ください。
参考:今の時代、教わらなくても勉強できる?──それでも「教わる価値」がなくならない理由 | スタディブレイン
プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室