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勉強時間は長ければ長いほどいい? 科学が教える“正しい努力”の仕方
「とにかく長時間机に向かえば、成績は上がる」。
そんなイメージを持っている人は多いかもしれません。しかし、これは半分正解で半分間違い。実は、勉強時間をただ伸ばすだけでは成績は上がりません。むしろ、勉強効率や集中力が落ちて逆効果になることすらあります。
この記事では、最新の心理学や教育科学の知見をもとに、「長時間勉強=成績アップ」という誤解を正し、本当に成果が出る“科学的な勉強時間”の考え方をご紹介します。
勉強時間と成果は「直線的」に伸びない
まず知っておきたいのは、「勉強時間と成果は比例しない」ということです。
教育心理学では、「逆U字曲線」の関係が指摘されています。最初は勉強時間が増えるほど成果も上がりますが、ある地点を超えるとパフォーマンスが下がってしまうのです。
この理由は、脳の集中力や注意力には限界があるため。たとえば、米国の認知心理学者ジョン・アンダーソンの研究では、1日の集中力のピークは約4時間程度とされています。それを超えると、記憶の定着率や理解力が下がり、疲労の蓄積が学習効果を打ち消してしまうのです。
長時間勉強の落とし穴:意味のない「なんちゃって努力」
長時間勉強しても、「何をしていたか思い出せない」「解いた問題を覚えていない」という経験はありませんか?
それは、脳が“意味のある学習”として処理していない証拠です。
脳科学では、「意味記憶(理解を伴う知識)」と「作業記憶(その場しのぎの記憶)」は異なるシステムで働くといわれています。意味記憶を高めるには、インプットとアウトプットのバランスが大切であり、だらだらとしたインプットだけでは学習効果は上がりません。
本当に成果が出るのは「集中×短時間」+「継続」
科学的に効果的とされるのは、**集中して短時間取り組む「ポモドーロ法」や「スプリント学習」**などの学習法です。たとえば:
- 25分集中+5分休憩を1セットにする(ポモドーロ法)
- 90分でやるべきことを区切る(ウルトラディアン・リズムに基づく)
これらは集中力の維持と脳の回復を考慮した手法で、少ない時間でも高い学習効果を得ることが可能です。
また、「毎日続ける」ことが最重要です。1日6時間詰め込んでも、3日坊主では意味がありません。毎日1時間でも継続した方が、知識は定着しやすく、ストレスも少ないのです。
目指すべきは「長さ」より「質」+「再現性」
受験や定期テストで結果を出すには、学んだ知識を実践で再現できる力が必要です。
ただ教科書を読むだけ、問題を解くだけではなく、
- どうやって覚えたか
- どう考えて答えを出したか
- なぜその間違いをしたか
などを自分の言葉で説明する時間こそ、最も学習効率が高い時間になります。
まとめ:勉強時間の「長さ」に頼る時代は終わった
勉強時間が長ければ安心、という考えはもはや通用しません。
今求められるのは、自分に合った集中のサイクルをつくり、再現性のある学びを積み重ねることです。
「今日は何時間勉強したか」よりも、「今日は何をできるようになったか」に目を向けてみてください。
スタディブレインでは、子どもの「成長」に目を向けます。いつまでもできることだけをやっていても成長できません。
勉強とは「できないことをできるようにすること」です。私たちと一緒に常に成長していきましょう。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室