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読むだけでは記憶に残らない?科学が証明した「想起練習」が最強の勉強法
「ちゃんとノートを見返してるのに、テストでは思い出せない」
「一度覚えたはずなのに、忘れてしまう」
――そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
実は、「覚える」こと以上に、「思い出す」ことこそが記憶を定着させるカギだと、心理学の研究で明らかになっています。
この記事では、記憶定着を科学的にサポートする学習法「リトリーバル・プラクティス(想起練習)」について解説します。
リトリーバル・プラクティスとは?
リトリーバル・プラクティス(Retrieval Practice)とは、覚えた知識を意識的に「思い出す」練習のことです。
たとえば以下のような行動がこれに当たります。
- 覚えた内容を、何も見ずに書き出す
- 単語カードの裏を見ずに答える
- 解いたことのある問題を再び解く
この方法が非常に効果的であることは、**Roediger & Butler(2011)**をはじめとする多数の実験で証明されています。
なぜ「思い出すこと」が学習に効果的なのか?
1. 記憶の経路が強化される
思い出すたびに、脳内の神経ネットワークが再活性化され、記憶の回路が強化されることが分かっています。
2. 「できていないところ」が明確になる
ノートを読むだけの復習では、「なんとなくわかった気」になることが多いですが、実際に思い出そうとすることで、理解のあいまいさに気づけるのです。
3. テスト本番の「再現性」を高める
リトリーバル・プラクティスは、本番で必要な「思い出す力」そのものを鍛えるため、テストや試験に直結した勉強法といえます。
実践!リトリーバル・プラクティスのやり方
方法①:白紙に思い出して書く
教科書を閉じて、白紙にその単元の内容を思い出して書く。
これは非常にシンプルで強力な復習法です。
例)「細胞分裂について覚えたことを3分で書き出す」
方法②:自作のミニテストを作る
間違えた問題や暗記項目を元に、自分用のミニテストを作って解く。
答えを見る前に、まず自力で思い出すのがポイントです。
方法③:単語カードやアプリでクイズ形式に
- 表に英単語、裏に意味を書いた単語カードを使う
- クイズアプリや暗記アプリを活用する
こうしたツールを使えば、スキマ時間にも想起練習が可能です。
想起練習を最大限に活かす3つのコツ
① 解答後にすぐフィードバックを受ける
思い出した後は、すぐに正解と照らし合わせて間違いを修正することが重要。
「間違ってもいい」という前提で挑戦することで、記憶が深まります。
② 間隔を空けて繰り返す(=間隔反復)
毎日同じことを繰り返すより、1日後・3日後・1週間後と間隔を空けて復習した方が、記憶はより長期化します。
これは「間隔反復(Spaced Repetition)」と呼ばれるテクニックで、想起練習と相性抜群です。
③ 学習した内容のアウトプットとして使う
覚えたことを人に説明したり、テスト形式にしたりと、「記憶を出す場面」を意識的に作ると効果的です。
よくある誤解:読み返し ≠ 復習
多くの生徒が「ノートや教科書を読むこと=復習」と思っていますが、これは受動的な勉強です。
一方、リトリーバル・プラクティスは能動的な復習。
記憶を「受け取る」から「取り出す」へと切り替えるだけで、学習効率は大きく変わります。
想起練習を取り入れて成績アップするには?
- 間違えた問題を「思い出す練習用フォルダ」にまとめる
- 毎週1回、自分で確認テストをする
- 塾や家庭教師に「自力で答える時間」を必ず取ってもらう
こうした習慣を継続すれば、「覚えてもすぐ忘れる」状態から、「記憶が長く残る」状態に変わっていきます。
まとめ|「思い出す練習」こそ最高の復習法
リトリーバル・プラクティスは、
✅ 覚えるだけでなく、思い出す力を鍛える
✅ 自分の弱点に気づける
✅ 長期記憶に残りやすくなる
という理由から、科学的に最も効果の高い学習法の一つとされています。
「覚えたかどうかは、思い出してみないとわからない」
― だからこそ、「思い出す練習」が勉強の本質なのです。
スタディブレインでは、授業内で覚えたことを必ずテストしています。そうすることで、それは、今回ご紹介した「想起練習」が非常に効果的だと考えているからです。
科学的な根拠のある勉強法を取り入れることで、多くの生徒さんが結果を出してくれています。
気になる方はぜひ一度体験授業にお越しください。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室