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勉強の仕方

塾では解けたのに家で解けない原因は「忘却曲線」と「集中力」|家庭学習を成功させる方法

「塾では解けた問題なのに、家で同じ問題を解こうとすると解けない…」
この悩みは多くの生徒が経験しています。
その主な原因は 「忘却曲線による記憶の低下」「家庭学習時の集中力不足」 にあります。

本記事では、なぜ家で問題が解けなくなるのかを科学的に解説し、塾で学んだ内容を家庭学習で定着させるための具体的な方法を紹介します。


1. 家で解けなくなる原因は「忘却曲線」

1-1. 学習直後から記憶は急速に失われる

塾で問題を解けたのに家で解けなくなる大きな原因は、人間の脳の仕組みにあります。
心理学者エビングハウスの「忘却曲線」の研究によると、人は学習した内容を短時間で忘れてしまうことがわかっています。

経過時間記憶保持率の目安状態のイメージ
10分後約90%ほとんど覚えている
1時間後約70%ポイントは覚えているが細部を忘れ始める
5時間後約50%解法の流れがあいまいになる
24時間後約30%半分以上忘れている
1週間後約20%ほとんど思い出せない

つまり、授業からわずか1時間後に約30%忘れているということです。
塾で解けた問題を翌日に解こうとしても、解法を再現できないのは自然な現象なのです。


1-2. 短時間復習が「解けない」を防ぐ

忘却を防ぐには、「忘れる前に復習する」ことが最も効果的です。
おすすめは、1時間後・5時間後・24時間後という短いスパンでの「段階的復習」です。

復習のタイミングと方法

  • 授業直後(当日中):授業ノートを見返し、例題を解き直す
  • 1時間後:答えを見ずに同じ問題を解き直す
  • 5時間後:もう一度同じ問題を解き、忘れていた部分を洗い出す
  • 24時間後:類題に挑戦して理解を深める

このサイクルを実践することで、記憶保持率は大幅に向上し、家でも問題が解けるようになります。


2. 家で解けなくなるもう一つの原因は「集中力」

2-1. 家では集中力が低下しやすい

塾と家庭学習の最大の違いは「環境」です。
塾では周囲の生徒も勉強しており、先生の目もあるため、自然と集中できます。
一方、家では次のような要因で集中力が低下します。

  • スマホやゲームの誘惑
  • テレビや家族の話し声
  • 勉強以外の雑念が入りやすい
  • 勉強モードに切り替えにくい

この結果、同じ問題でも塾では解けて、家では手が止まるという現象が起きやすくなります。


2-2. 集中できる家庭学習環境をつくる

家庭学習で成果を出すには、集中できる環境づくりが不可欠です。
おすすめの工夫は以下のとおりです。

家庭学習で集中力を高める方法

  • 勉強専用の場所を決める
     寝室やリビングではなく、机を固定することで「勉強モード」に入りやすくなります。
  • スマホを机から離す
     通知音が鳴るだけでも集中力は大きく低下します。
  • ポモドーロ学習法を活用する
     25分勉強+5分休憩を1セットにすると、集中力を維持しやすくなります。
  • 家族に勉強時間を共有する
     声をかけられない環境をつくることで、学習効率が上がります。

3. 忘却曲線と集中力を意識した家庭学習法

ここまで解説した 「忘却曲線対策」「集中力対策」 を組み合わせると、塾で学んだ内容を家庭で定着させる効果が高まります。
具体的には次の手順がおすすめです。

  1. 授業直後に復習する(忘れる前に定着)
  2. 1時間後・5時間後・24時間後に段階的に復習
  3. 集中できる環境を整えて学習時間を確保する
  4. アウトプット中心の勉強に切り替える(問題演習・解法の言語化)

この4つを実践すれば、塾で解けた問題を家でも解ける状態に近づけます。


まとめ

塾では解けた問題が家で解けないのは、主に次の2つが原因です。

  1. 忘却曲線による記憶の低下
     → 授業から1時間後には約30%忘れている
  2. 家庭学習での集中力不足
     → 環境の影響で勉強モードに入りにくい

**解決策は「短時間復習」と「環境づくり」**です。

  • 授業直後の復習で忘却を防ぐ
  • 1時間後・5時間後・24時間後の段階的復習で定着
  • 集中できる家庭学習環境を整える

これらを習慣化すれば、塾で学んだ知識を家庭でもしっかり活かせるようになります。

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プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階