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勉強が続かない子に効く!イフゼンプランニングで習慣化する科学的方法

「勉強の計画は作って終わり…」になっていませんか?
計画を立てることは大切ですが、作っただけでは勉強は続きません。実際には「続け方がわからない」という保護者も多く、子ども自身もどう行動すればいいか迷ってしまいがちです。
そこでおすすめなのが、心理学で実証された イフゼンプランニング(If-Thenプランニング) という方法です。
本記事では、科学的根拠に基づき、子どもの勉強を自然に習慣化させるコツを具体例とともに解説します。
勉強が続かないのは「意志が弱いから」ではない

「机に向かわせても集中が続かない」「やる気が出るのを待っていたら一日が終わる」――保護者からよく聞く悩みです。
でも実は、子どもが勉強を続けられないのは意志の問題ではありません。心理学では、人間の行動の多くは“その場の状況(きっかけ)”に左右されることがわかっています。
つまり、勉強習慣をつけるためには「やる気を高める」のではなく、行動が自然に引き出される仕組みを作ることが大切です。その代表的な方法が イフゼンプランニング(If-Thenプランニング) です。
イフゼンプランニングとは?

イフゼンプランニングは、
「もし(If)〇〇になったら、(Then)△△をする」
という形で行動のルールをあらかじめ決める方法です。
たとえば…
- もし夕食を食べ終わったら、英単語を10個見る
- もし朝ごはんの前になったら、計算ドリルを1ページ解く
- もし寝る前になったら、今日の授業ノートを5分見返す
このように、「特定の時間・場所・行動」に勉強をひも付けることで、自動的に行動が思い出され、実行しやすくなるのです。
科学的根拠――行動の実行率は2倍以上に

心理学者ピーター・ゴルヴィッツァーらの研究によれば、イフゼンプランニングを使ったグループは、そうでないグループに比べて行動の実行率が2倍以上高かったと報告されています。
これは脳が「抽象的な目標」よりも「具体的な状況と結びついた行動」を記憶しやすいからです。
「勉強しよう」では曖昧で先延ばしにされますが、「夕食後に英単語10個」なら条件が明確なので迷いなく行動に移せます。
イフゼンプランニングを継続する科学的コツ

1. 小さく具体的に設定する
- 「英単語10個」ではなく「1ページだけ」
- 「計算ドリル1ページ」でもOK
→ 小さな成功体験がドーパミンを分泌し、自己効力感を育てます。
科学的根拠:小さな行動から始める習慣は、自己効力感と報酬系の活性化で定着率が高い(BJ・フォッグ研究、2019年)。
2. 既存の習慣にくっつける
- 「歯磨き後に英単語5個」
- 「朝ごはん後に数学1問」
→ 脳は既存の習慣をトリガーに新しい行動を呼び出すため、迷わず実行できます。
科学的根拠:基底核(脳の習慣中枢)に結びつけると習慣化が加速する(Wood & Neal, 2007)。
3. 達成を記録・見える化する
- カレンダーにチェック
- シールやアプリでログ
- 親と一緒に確認
→ 小さな達成感が報酬として作用し、習慣ループを強化します。
科学的根拠:報酬によるポジティブフィードバックはドーパミン分泌を促し、学習定着を高める(Schultz, 2015)。
4. 失敗時の代替ルールを決める
- 「帰宅後に勉強できなかったら寝る前に5分だけやる」
→ 計画の柔軟性が挫折感を減らし、習慣の断絶を防ぎます。
科学的根拠:柔軟な計画設定は自己制御ストレスを減らし、習慣化の持続に寄与(Gollwitzer, 1999)。
5. 社会的サポートで定着率UP
- 親が一緒にルールを確認する
- 兄弟や友達と進捗を共有する
→ 社会的な目線や承認は行動の継続を後押しします。
科学的根拠:他者の関与やフィードバックは、モチベーションと習慣の定着を強化(Bandura, 1986)。
家庭でできる実践例

小学生
- もし 朝ごはんを食べ終わったら、音読を1回する
- もし お風呂から出たら、九九を3つ言う
中学生
- もし 学校から帰宅したら、数学の問題を1問解く
- もし 寝る前になったら、英単語を10個見返す
高校生
- もし 電車に乗ったら、単語帳を3ページ読む
- もし 部活から帰ったら、今日の授業ノートを10分整理する
まとめ――「やる気」より「仕組み」で勉強は続く

- 勉強が続かないのは意志の問題ではなく「きっかけ」の不足
- イフゼンプランニングは「もし〇〇したら△△する」と決めるだけで簡単
- 小さな行動を日常に組み込み、記録・社会的サポートを活用すると自然に習慣化
- 2か月続ければ、勉強は「苦痛」ではなく「当たり前」に変わります
計画は作って終わりではなく、続けてこそ効果が出ます。イフゼンプランニングを取り入れて、今日から家庭で小さな一歩を踏み出しましょう。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室