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理解だけしていれば暗記は不要?科学的根拠でわかる効率的学習法

「内容を理解しているから暗記は不要」――
多くの人がそう考えていますが、科学的には理解だけでは学習効果が十分ではないことが分かっています。
理解と暗記を組み合わせることで、知識はより定着し、テストや実践の場で使える力へと変わります。
この記事では、理解だけでは不十分な理由と、家庭でできる効率的な暗記法を詳しく解説します。
理解だけでは記憶が定着しない理由

勉強において「理解」と「暗記」はしばしば混同されがちです。
理解とは、「なぜそうなるのか」「どうしてこうなるのか」を腑に落とすことです。一方、暗記は「事実や公式を思い出せるようにする」行為です。
理解だけでは、知識をすぐに使える状態にすることが難しいのです。
たとえば、数学の公式を理解していても、テストで瞬時に使えなければ点数につながりません。英語の文法を理解していても、問題文を見て正しく使えなければ実力とは言えません。
科学的な研究でも、理解だけでは再現力が不十分であることが示されています。Roediger & Butler(2011)は、**理解+Retrieval Practice(思い出す練習)**の組み合わせが学習効果を最大化することを報告しています。理解しても、繰り返し思い出す訓練をしなければ、知識は長期記憶に定着しにくいのです。
理解と暗記を両立させる科学的学習法

1. 自己説明で理解を深める
学習した内容を自分の言葉で説明することは、理解の確認だけでなく記憶の定着にも役立ちます。
- 教科書やノートを見ながら、「なぜこうなるのか」を口に出して説明
- 家族や友達に説明する形式でもOK
この方法は、アクティブリコールの一種で、理解と記憶の両方を鍛えられます。
2. フラッシュカードやメモで暗記する
理解した内容も、重要なキーワードや公式を繰り返し思い出すことで長期記憶に移行します。
- 単語、公式、歴史の年号などをカードに書く
- 1日おきに復習、徐々に間隔をあける(間隔反復法:Spaced Repetition)
この方法は、脳科学的にも短期記憶を長期記憶に変換する効果が確認されています(Cepeda et al., 2006)。
3. 問題演習で知識を使える状態にする
理解+暗記だけでは不十分で、実際に使えるかを確認することが重要です。
- 問題を解きながら公式や知識を即座に引き出す
- 間違えた箇所はすぐに復習し、再挑戦する
この「学んだことを使う」プロセスが、知識を再現力のある実力に変えます。
家庭での実践例

- 理科・社会の勉強
- 理科の公式や社会の年号を理解+暗記
- 自分で解説することで理解を確認
- 問題集で実際に知識を使ってみる
- 理科の公式や社会の年号を理解+暗記
- 英語の勉強
- 文法のルールを理解
- 例文を暗記して文法の使い方を体に覚えさせる
- 英作文や問題演習でアウトプット
- 文法のルールを理解
- 数学の勉強
- 解法の仕組みを理解
- 公式や定義をフラッシュカードで暗記
- 問題を解く中で公式を思い出す
- 解法の仕組みを理解
家庭学習では、理解→暗記→アウトプットの順序を意識することで、効率的に力を伸ばせます。
まとめ

- 理解だけでは知識の再現力は不十分
- 科学的には、理解+暗記+反復練習が最も効果的
- 家庭学習では、自己説明・フラッシュカード・問題演習を組み合わせると、理解を定着させ、実力につなげられる
💡ポイント
- 理解したら必ず思い出す練習をする
- 暗記は嫌でも短時間の反復で十分
- 問題を解いてアウトプットすることで、知識を使える力に変える
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室