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苦手科目は漫然とやっても意味がない?科学的根拠に基づく効果的学習法

「苦手だからたくさん勉強すればいつかできるようになる」――
そう考える人は少なくありません。しかし、科学的研究では、ただ時間をかけるだけの学習では、苦手科目の克服は効率的に進まないことが示されています。
この記事では、科学的根拠に基づいた苦手科目の克服法と、家庭学習で実践できる具体的な方法を紹介します。
苦手科目は漫然とやっても効果が薄い理由

苦手科目をただ長時間勉強しても、成績の伸びが限定的であることは、多くの心理学研究で明らかになっています。
- 人間の注意力や集中力には限界があり、漫然と勉強するだけでは脳が十分に情報処理できない
- ただ時間をかけるだけでは、理解が不十分な部分が放置され、記憶も定着しにくい
- 科学的には、**メタ認知(自分の理解度を把握する能力)**が高いほど苦手科目克服に成功することが示されています(Flavell, 1979)
つまり、重要なのは「時間の量」ではなく「どこを重点的に学ぶか」の質です。
科学的に正しい苦手科目の学び方

1. 自分の理解できていない部分を特定する
苦手科目を克服するためには、まずどこが理解できていないかを把握することが重要です。
- 教科書や問題集で間違えた箇所を分析
- ノートに間違えた理由や原因を整理
- 自分の弱点を可視化する
このプロセスにより、漫然と勉強するのではなく、重点的に学習すべき箇所を明確にできます。
2. 集中的に弱点を学習する
弱点が分かったら、その部分に集中的に取り組みます。
- 理解が浅い単元を重点的に復習
- 間違えた問題を繰り返し解く
- 間違いの原因を解説動画や参考書で確認
科学的根拠として、ピンポイントでの反復学習は長期記憶の定着を高めることが報告されています(Cepeda et al., 2006)。
3. 定期的に理解度をチェックする
集中的に学習した後は、理解度を確認するテストや問題演習が必要です。
- 弱点だった部分が解けるようになったか確認
- 間違えた場合は再度復習
- このプロセスを繰り返すことで、弱点が確実に克服される
家庭学習での実践例

- 数学の苦手単元
- 間違えた問題をまとめる
- 間違えた理由をノートに整理
- 同じ単元を3回以上解き直す
- 間違えた問題をまとめる
- 英語の苦手文法
- 理解できていない文法事項をリスト化
- 例文を書きながら暗記
- 間違えた例文は何度も書き直す
- 理解できていない文法事項をリスト化
- 社会・理科の苦手分野
- 歴史の年代や用語を整理
- 覚えにくい箇所はフラッシュカードで反復
- 間違えた問題はその場で解説を確認
- 歴史の年代や用語を整理
このように、家庭学習では弱点を特定→集中的に学習→理解度チェックのサイクルを回すことが、苦手科目克服の近道です。
まとめ

- 苦手科目をただ長時間やっても、効果は限定的
- 科学的には、自分の理解できていない箇所を特定し、重点的に学ぶことが重要
- 家庭学習では、「弱点を可視化→集中的に学習→理解度確認」のサイクルを取り入れることで、効率的に苦手科目を克服できる
💡ポイント
- 時間より質、弱点を把握することが最優先
- 集中的に学習した後は必ずテストや問題で確認
- このプロセスを繰り返すことで、苦手科目でも着実に成績が伸びる
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室