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「失敗が怖い」を力に変える! 科学的な「成長マインドセット」の育て方

「どうせやっても無駄だ」「失敗したら恥ずかしいから、難しい問題はやりたくない」
テストの点数や周りの評価を気にしすぎるあまり、挑戦すること自体を避けてしまう生徒は少なくありません。特に、努力が結果に結びつかずに悩んでいる生徒や保護者の方にとって、「失敗への恐怖」は大きな壁となります。
スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエック博士の研究によると、この「失敗への恐怖」は、**私たちの考え方のクセ(マインドセット)**によって生まれていることが明らかになっています。
このブログでは、科学的に証明された**「成長マインドセット」の考え方を学び、失敗を「成長のためのフィードバック」**に変える具体的な方法を解説します。
1. 成長を止める「固定マインドセット」とは?

私たちの考え方には、大きく分けて「固定マインドセット」と「成長マインドセット」の2種類があります。
**固定マインドセット(Fixed Mindset)**を持つ人は、「自分の能力や知性は生まれつき決まっていて、努力しても変わらない」と考えます。
| 固定マインドセットの特徴 | 結果として起きること |
| 失敗を**「自分の能力の限界」**と捉える | 難しい課題を避け、新しいことに挑戦しない |
| 努力は「能力がない人がするもの」と考える | 失敗を隠そうとし、フィードバックを無視する |
| 結果(テストの点数)にこだわりすぎる | 他人の成功をねたみ、脅威に感じる |
この考え方をしていると、失敗は「自分自身の否定」につながるため、失敗を極度に恐れ、結果として成長の機会を自ら失ってしまいます。
2. 成長を加速させる「成長マインドセット」への切り替え

一方、**成長マインドセット(Growth Mindset)**を持つ人は、「自分の能力や知性は、努力や経験、戦略によっていくらでも伸ばすことができる」と考えます。
この考え方こそが、科学的に証明された**「成功者の共通点」**です。
失敗は「フィードバック」と**「if-then」**で処理する
成長マインドセットに切り替える最大のカギは、失敗を**「一時的な結果」、あるいは「成長のための貴重な情報(フィードバック)」**として捉え直すことです。
たとえば、テストで点数が悪かったとき、
| 固定マインドセットの思考 | 成長マインドセットの思考 |
| 「私にはこの科目は無理だ」(能力を否定) | 「今回はこのやり方ではダメだった」(戦略を検証) |
| 「もう努力しても意味がない」(諦め) | 「次はどうすれば良くなるか?」(次への行動を計画) |
さらに、次の行動へつなげるために、過去の記事で紹介したif-thenプランニングを応用します。
if(失敗したら): もし、テストで計算ミスをしたら、
then(次の行動): 次は必ず、問題を解いた後に3分間見直しの時間を取る。
失敗を感情論で終わらせず、具体的な次の行動に結びつけることで、脳は失敗を恐れることなく、前向きに学習に取り組めるようになります。
3. 「努力」への意味づけを変える保護者の関わり方

子どものマインドセットを育てるには、保護者や指導者からの**「声かけ」**が極めて重要です。子どもが「努力は意味がある」と感じられるように、評価の対象を「結果」から「プロセス」へとシフトさせましょう。
「努力のプロセス」に焦点を当てる承認の声かけ
能力や知性(固定的な要素)を褒めるのではなく、**努力や粘り強さ、挑戦したこと(変えられる要素)**を具体的に褒めましょう。
- NGな声かけ(能力を褒める): 「あなたは天才だから、いつも満点だね。」
- →(子どもの心): 満点を取れなかったら、自分はもう天才ではない、と失敗を恐れるようになる。
- OKな声かけ(努力を褒める): 「難しい問題だったのに、諦めずに最後まで考えていたね。その粘り強さが素晴らしい!」
- →(子どもの心): 失敗しても、努力や挑戦は評価される、と感じ、次も頑張ろうと思える。
ポイント: 特に難しい問題に挑戦した時や、すぐに結果が出なくても継続して取り組んでいる時こそ、集中的にプロセスを承認することが、成長マインドセットを定着させます。
4. まとめ:失敗を恐れず成長するための3つのステップ

「失敗が怖い」という感情は、誰もが持っています。しかし、その感情を力に変えるのが「成長マインドセット」です。
- 考え方を変える: 能力は固定ではなく、努力で伸びるものだと信じる(成長マインドセット)。
- 失敗を情報に変える: 失敗を**「能力の限界」ではなく「戦略が間違っていたというフィードバック」**として処理する。
- 努力のプロセスを評価する: 自分自身や子どもに対して、結果ではなく**「挑戦」や「粘り強さ」**といった努力の過程を具体的に承認する。
この考え方を身につけることで、勉強が「試練」から「無限の成長の機会」へと変わるでしょう。
スタディブレインでは、子供たちに考える習慣をつけてもらっています。質問を通じて考えてもらうことで、今まで気づかなかったことに気づいてもらえます。
結果を出す人は結果を出す考え方をしています。その考え方をスタディブレインで学びましょう。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室