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勉強の仕方

数学は「じっくり考える」ほど成績が伸びるとは限らない理由

数学の勉強を見ていると、
「じっくり考えてから解きたい」
「すぐに解説を見るのは気が引ける」
というタイプの生徒がいます。

自力で考え、解けたときの達成感は確かに大きく、学ぶ姿勢としてはとても立派です。
しかし一方で、テストや受験という現実を考えると、その取り組み方が必ずしも点数につながっていないケースも少なくありません。

「じっくり考えるタイプ」の生徒に多い特徴

考えること自体が好きで粘り強い

このタイプの生徒は、
・すぐに答えを見ない
・自分なりの解き方を探したがる
・難しい問題に時間をかける

といった特徴があります。

一見すると「思考力が高い」「数学向き」に見えますし、実際に地頭が良い生徒も多いです。

その一方で時間が足りなくなりやすい

しかし実際のテストでは、
・最後まで解き切れない
・見直しの時間が取れない
・解ける問題を落とす

といった悩みが出やすくなります。

「考える力はあるのに、点数が安定しない」
このギャップが、保護者や指導者を悩ませます。

なぜ「じっくり考える勉強」は点数につながりにくいのか

テスト・受験には必ず「期限」がある

勉強には、本来いくらでも時間をかけられます。
しかし、テストや受験は違います。

・制限時間がある
・出題範囲が決まっている
・本番は一度きり

つまり、正しさだけでなく「時間内に出せるかどうか」も評価される競技です。

どれだけ深く考えられても、時間内に処理できなければ点数にはなりません。

一から考える解き方はコストが高い

毎回ゼロから考える解き方は、
・試行錯誤が多い
・判断が増える
・脳の処理負荷が高い

という特徴があります。

これは「高度な思考」なので悪いわけではありませんが、日常的に使うには重すぎるのです。
結果として、時間切れやケアレスミスが増えやすくなります。

解説の解き方は「ズル」ではなく最短ルート

解説は無駄を削ぎ落とした思考の結晶

解説に書かれている解き方は、
・出題者の意図に沿い
・最小手数で
・再現性が高く
・時間内に処理できる

ように作られています。

これはズルでも手抜きでもなく、点数を取るために最適化された思考の形です。

まずは「真似る」ことが近道になる理由

解説通りに解くことで、
・解法の型が頭に入る
・手順が固定される
・考える量が減る
・処理が速くなる

という効果が出ます。

ここで大切なのは、「考えない」ことではありません。
考える部分を減らすことで、点数に直結する部分に力を集中できるようになります。

本当に必要な「考える力」はどこで使うのか

型が入ってからこそ思考力は生きる

解法パターンが頭に入っていない状態で考えるのは、暗闇を手探りで進むようなものです。
一方、型を知った上で考えると、

・どの解法を選ぶか
・どこが違うのか
・なぜ通用しないのか

といった質の高い思考が可能になります。

順番としては、
① 型を覚える → ② 使う → ③ 比較する → ④ 応用する
が理想です。

考える力は「温存」するもの

考える力は、
・初見問題
・本番の応用問題
・本当に詰まった場面

で使うからこそ価値があります。

毎問全力で考え続けると、肝心な場面で力が残りません。

指導や家庭での声かけの工夫

否定せずに方向を整える声かけ

・「考えすぎ」ではなく
 →「テストだと、この解き方は時間足りそうかな?」

・「まず考えるな」ではなく
 →「この問題、まずは解説通りやってみよう」

考える姿勢を否定せず、使いどころを調整する声かけが有効です。

「考えたい欲」を後ろに回す設計

・最初は解説をなぞる
・次に一部だけ自力
・最後に応用問題

こうすることで、達成感も思考力も両立できます。

まとめ:数学で評価されるのは「思考量」ではない

数学で大切なのは、
「どれだけ考えたか」ではなく、
**「時間内に、どれだけ正確に出せるか」**です。

考えること自体は悪いことではありません。
ただし、使う順番を間違えると、努力が点数に変わらなくなります。

まずは解説を真似て型を入れる。
その上で、考える力を必要な場面で使う。

この順番を意識するだけで、
数学の勉強は「頑張っているのに伸びない」状態から抜け出しやすくなります。

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プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階