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勉強の仕方

「ごほうびで釣る」と勉強しなくなる?行動科学から見る外発的動機づけの落とし穴

「テストで○点取ったらゲームOK」
「ワークが終わったらお小遣い」

家庭でよく使われる“ごほうび作戦”ですが、「最初は効いたのに、だんだん勉強しなくなった」という声も少なくありません。
この現象は感覚的なものではなく、心理学・行動科学でしっかり説明できます

ごほうびが効かなくなるのはなぜか

人は「理由」を書き換えてしまう

勉強を始めた理由が
「分かるようになりたい」
から
「ごほうびが欲しい」
にすり替わると、行動の意味づけが外側に移ります。

この現象はアンダーマイニング効果と呼ばれ、「もともとあった内発的な動機が、外的報酬によって弱まる」ことが知られています。

報酬がないと動けなくなる

ごほうびが前提になると、
「今日は何がもらえるの?」
「それならやらない」
という状態になりやすくなります。

これは子どもがわがままになったわけではなく、行動のスイッチが報酬側に固定された結果です。

それでも「ごほうび」が完全にダメなわけではない

外発的動機づけは“入口”としては有効

行動科学的には、外発的動機づけは行動を始めるきっかけとしては有効です。
特に、勉強習慣がまだない段階では、「とりあえずやってみる」ための助走になります。

問題は、使い方とタイミングです。

逆効果になりやすい3つの条件

成果だけに結びついている

点数や順位だけを条件にすると、過程が無視されます。

条件が曖昧

「ちゃんとやったら」「頑張ったら」といった基準は、不信感を生みます。

報酬が強すぎる

高価なものほど、「それがないとやらない」状態を作りやすくなります。

効果が出やすい「ごほうび設計」の考え方

プロセスにひもづける

「30分机に向かったらOK」
「決めたところまで進めたらOK」

成果ではなく行動そのものに結びつけます。これにより、有能感が育ちやすくなります。

徐々にフェードアウトする

最初はごほうびを使い、習慣ができてきたら頻度や大きさを下げていきます。
最終的には「できた実感」そのものが報酬になります。

意味づけを言葉にする

「なんでこれをやるんだっけ?」
と一緒に確認することで、外発的動機から内発的動機への橋渡しが起きます。

家庭での現実的な落としどころ

完全禁止にしなくていい

「ごほうび=悪」と決めつける必要はありません。
大切なのは、主役がごほうびになっていないかを常に確認することです。

親の役割はコントローラーではない

報酬を与える側が強くなりすぎると、子どもの自律性は下がります。
親は管理者ではなく、設計者であり伴走者です。

ごほうびは「使い捨ての道具」くらいがちょうどいい

ごほうびは、行動を始めるための仮の松葉杖のようなものです。
ずっと頼るものではありません。

勉強が続くようになるために必要なのは、
・やり始めやすい環境
・できた実感
・自分で選んでいる感覚

この3つです。
ごほうびは、それを支える一時的な補助輪として使う。その距離感が、一番うまくいきます。

子どものやる気を引き出すには、今回ご紹介した方法のほかにも、効果的な目標設定の仕方が重要になります。こちらも併せてご確認ください。

プロフィール:

和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ

哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている

スタディブレイン和歌山駅東口教室

住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田2丁目2−15 岡三ビル3階