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学校と塾をどう使い分ける? 塾併用で知っておきたい科学的なメリット・デメリット

多くの小学生が通塾する現代において、「学校だけで十分ではないか」「塾に行かせないと遅れてしまうのでは」という悩みは、保護者にとって避けては通れないテーマです。
しかし、塾は単に「勉強時間を増やす場所」ではなく、学校とは異なる役割を持つ「学習の補助装置」です。併用することで得られる大きな恩恵がある一方で、使い方を誤ると子どもの自律性や意欲を損なうリスクも孕んでいます。
本記事では、教育心理学や行動科学の視点から、塾を併用することの科学的なメリットとデメリット、そして「自走できる子」に育てるための賢い活用法を解説します。
1. 塾を併用することで得られる3つの科学的メリット

塾という環境は、家庭や学校とは異なる心理的・物理的な刺激を子どもに与えます。これを上手に利用することで、学習効率を飛躍的に高めることが可能です。
- 社会的なファシリテーション(他者の存在による促進):
- 心理学では、同じ目標を持つ仲間が近くにいることで作業効率が上がる現象を「社会的なファシリテーション」と呼びます。
- 一人ではダラダラしてしまう子も、周囲が集中している塾の環境では自然と「集中モード」に入りやすくなります。
- 専門特化した「スモールステップ」の提供:
- 多くの塾では、子どものレベルに合わせた緻密なカリキュラムが用意されています。
- 「今の自分にちょうど良い難易度」の課題に挑戦し続けることで、脳はドーパミンを放出し、「有能感」(やればできるという感覚)を感じやすくなります。
- 保護者の「精神的ゆとり」と関係性の維持:
- 家庭での学習指導は、つい感情的になり親子関係が悪化する原因になりがちです。
- 勉強の管理を塾という「外部」に委託することで、親は「先生」ではなく「一番の応援団」という本来の役割に専念でき、「関係性」の欲求を満たすことができます。
2. 知っておくべき塾併用の「落とし穴」とデメリット

メリットが多い反面、塾を「ただ行かせるだけ」にすると、子どもの脳と心に過度な負担をかけるリスクがあります。
- 「受け身の学習」による自律性の喪失:
- 塾で至れり尽くせりの指導を受けると、子どもは「教えられるのを待つ」という受動的な姿勢になりがちです。
- 自分で試行錯誤する機会が奪われると、前回解説した「勉強法を学ぶ」チャンスを失い、メタ認知能力が育たなくなります。
- オーバーロードによる「作業興奮」の減退:
- 学校と塾の二重生活で自由な時間がなくなると、脳が慢性的な疲労状態(オーバーロード)に陥ります。
- 心理学のヤーキーズ・ドットソンの法則によれば、過度なストレスやプレッシャーはパフォーマンスを著しく低下させます。
- 「わかったつもり」現象の加速:
- 塾の分かりやすい授業を聞くと、脳は簡単に「理解した」と誤認してしまいます。
- しかし、自分で手を動かしてアウトプット(想起)する時間が確保できないと、知識は定着せず、テストで点が取れないという悪循環に陥ります。
3. 「塾に使われる子」ではなく「塾を使いこなす子」にするために

塾併用のメリットを最大化し、デメリットを最小限にするためには、塾を「目的」ではなく「道具(ツール)」として定義し直す必要があります。
- 「通う目的」を親子で言語化する:
- 「みんなが行っているから」ではなく、「今の苦手な算数の、この単元を克服するために3ヶ月通ってみよう」といった、具体的で期間限定の目標を立てます。
- 塾の宿題を「取捨選択」する勇気を持つ:
- 塾から出される大量の宿題をすべてこなそうとして疲弊するのは本末転倒です。
- お子さんの現状に合わせて、「今日はこの3問だけ完璧にする」といったスモールステップを親が一緒に設定し、パンクを防ぎます。
- 「空白の時間」を死守する:
- 何もしない時間、好きなことに没頭する時間は、脳が情報を整理し、創造性を養うために不可欠です。
- 週に最低1〜2日は、塾も習い事もない「完全に自由な時間」を確保することが、結果的に学習の質を高めます。
4. まとめ:塾は「自走」を助けるための補助輪

塾を併用する最大のメリットは、効率的な環境とカリキュラムを借りられることにあります。しかし、最後は子ども自身の足で走らなければなりません。
- 塾は「環境」を買う場所: 集中できる空間と、適切なライバルによる刺激(社会的ファシリテーション)を賢く利用する。
- 「依存」に注意する: 答えを教えてもらう場所ではなく、「自分で解くためのヒントをもらう場所」と定義する。
- 親は「マネージャー」に徹する: 学習の中身に口を出すのではなく、スケジュールの調整や、子どもの心のケアを優先する。
塾を「勉強の釣り竿」を手に入れるための場所として活用できれば、学校教育との相乗効果で、お子さんの可能性は大きく広がります。まずは、お子さんが塾を楽しめているか、あるいは「やらされ感」で疲弊していないか、じっくり観察することから始めてみてください。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室