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難しすぎても簡単すぎてもダメ!“ちょうどいい難しさ”が勉強のやる気を生む理由
「簡単すぎる問題はつまらない」
「難しすぎる問題はやる気がなくなる」
そう感じたことはありませんか?
実はそれ、心理学的にも正しい感覚です。
アメリカの心理学者アトキンソンは、**「人は成功するかどうか微妙な難易度の課題にもっともやる気を感じる」**と提唱しました。
この記事では、アトキンソンの**達成動機理論(Achievement Motivation Theory)**をもとに、
勉強のモチベーションを高める“ちょうどいい挑戦”の見つけ方を解説します。
勉強に飽きる・逃げたくなる本当の理由
「やる気が出ない」「勉強が続かない」と感じるのは、意思が弱いからではありません。
実は、「課題の難しさが合っていないこと」が原因であることが多いのです。
- 簡単すぎる問題:やる意味を感じられない
- 難しすぎる問題:どうせ無理とあきらめる
- ちょうどいい問題:少しがんばればできる→やってみようと思える
この“ちょうどよさ”こそが、やる気を高めるカギになります。
アトキンソンの達成動機理論とは?
アトキンソンの理論によると、人のやる気は「成功したい」という気持ちと「失敗したくない」という気持ちのバランス」で決まります。
実験では、以下のような結果が得られています。
- 成功率が90%以上(超簡単):モチベーション低
- 成功率が10%以下(超難しい):モチベーション低
- 成功率が40〜60%(ちょっと難しい):モチベーション高!
つまり、人は「うまくいくかどうかわからないけど、やってみたくなる」課題にもっとも意欲を感じるのです。
成功体験の積み重ねがモチベーションを支える
アトキンソンは、「挑戦して成功した」という達成体験がやる気を育てるとも指摘しています。
- 自分で考えて問題を解けた
- 苦手な単元で少しずつ点数が上がった
- 前回よりミスが減った
こうした小さな成功の積み重ねが、「次もやってみよう」と感じる気持ちを育ててくれます。
モチベーションを保つ課題・目標の設定法
それでは、どんな課題や目標を設定すれば「やる気が続く」のでしょうか?
以下のポイントを意識してみましょう。
✅ 成功率50%前後のレベルを狙う
- すでに習った単元の少し応用レベル
- 過去の模試で「半分くらい正解できた問題」
- 5問中2〜3問は解けるけど、あとの2問は手ごわい
→ 「あとちょっとでできる」という状態が、最も意欲をかき立てます。
✅ 難易度を調整できる教材・仕組みを使う
- 例:AI教材やレベル別ワークで、自分に合った問題を出してくれる
- 例:先生に「今の自分にちょうどいい問題を出して」と相談する
→ “適度な難しさ”の課題は、外からの工夫でも設定できます。
✅ 小さな成功を自分で「見える化」する
- 「3日間で解けなかった問題を1つ克服」でも十分な成果
- 「前より速く・正確に解けた」も立派な成長
→ 成果が目に見えると、「できるかも」という気持ちが育ちます。
声かけで「挑戦ゾーン」へ導く
家庭での声かけも大切です。
- ✕:「そんなの簡単でしょ」→自信をなくす
- ✕:「これは難しいから無理だよ」→挑戦しなくなる
- ○:「ちょっと難しいけど、やってみよう」
- ○:「前より成長してるから、今ならできるかもね」
→ 「できそう」と「できないかも」の中間ゾーンを意識した声かけが、挑戦意欲を高めます。
まとめ|「ちょっと難しい」がやる気のスイッチ
勉強のやる気を引き出すには、「やればできる」ではなく「やったら、できるかもしれない」という挑戦ゾーンを設定することが効果的です。
もう一度、ポイントをおさらいしましょう。
- 成功率50%くらいの“ちょうどいい難しさ”がベスト
- 挑戦して成功することでモチベーションが高まる
- 小さな達成感を積み重ねて自己肯定感を育てる
- 課題の難易度を調整し、継続しやすくする仕組みが重要
「できる・できない」ではなく、「やってみたいかどうか」がモチベーションを左右します。
ぜひ、自分にとって“ちょうどいい挑戦”を見つけてみてください!
人は、できないことをできるようにするために行動するときに成長します。
スタディブレインでは、「どうやったらできるようになるのか」「何か工夫することはあるか」など、挑戦するときに考えを巡らしてもらえるような声掛けをしています。
もしうまくいかないときがあっても、現状を打破しようと行動したその時が、成長しているときなのです。
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プロフィール:
和田晶平 スタディブレイン和歌山駅東口教室勉強コーチ
哲学と歴史が大好き 最近は中国古典にハマっている
スタディブレイン和歌山駅東口教室